「なあ、ゴールド。」
「なあに?」
シルバーがモンスターボールを持ってゴールドに話しかける。
「オレとバトルしろ!」
「えっ!?」
突然シルバーの口から出た言葉にゴールドは驚いた。
いつかはバトルすることになるとは思っていたが、
ポケモンをもらったその日にバトルをしろと言われるとは思っても見なかったのだ。
「ちょ、ちょっと待ってよシルバー。いくらなんでもいまは・・・」
「つべこべ言わずにポケモン出せよ!もらったときにどっちが強いか知ってたほうがいいだろ!?」
ゴールドがいうのも聞かずにシルバーはボールを投げ、ワニノコを出す。
「しょうがないなぁ・・・」
ボンッ
ゴールドはため息をつき、ボールからヒノアラシを出す。
その直後、ため息をついたあきれたような顔ではなく、
強く、にらみつけるような目つきでシルバ−を見る。
「でも、やるとなったらできる限り本気で行くよ!」
「おもしれーじゃねーか。ワニノコ!”ひっかく”んだ!!」
シルバーの先手で、2人のファーストバトルが始まった!
第3話「FIRST BATTLE!!」
「ヒノアラシよけてから”にらみつける”。」
「ヒノッ!」
ヒノアラシが親であるゴールドの声を聞くとさっと横に飛び跳ね、ワニノコをにらみつける。
「ワニャッ!?」
ワニノコがよろめく。その隙をゴールドは見逃さない。
「ヒノアラシ!”たいあたり”!!」
ゴールドが思いっきり叫ぶ。ヒノアラシはすぐさまワニノコに向かっていく。
ドゴッ
そんな鈍い音を出してヒノアラシがワニノコにたいあたりをかました。
ワニノコはその攻撃を受け、さらにバランスを崩す。
「ワニノコ!しっかりしろ!」
ワニノコはシルバーの声を聞くとパチッと目を開け、ヒノアラシと向き合った。
「ひっかけ!」
その一声でワニノコは地面を思いっきりけり、ヒノアラシに向かっていく。
ワニノコは右手をできる限り高くあげ、ヒノアラシの前まで来ると思いっきり手を振り下ろした。
「ヒノアラシッ!!」
ボフッ
突然ヒノアラシの背中から黒い煙が勢いよっく出てきた。
そのことで、ワニノコは振り下ろそうとした手を止めてしまった。
「くっ・・・”えんまく”か!」
シルバーが舌打ちをしている間にも煙幕は研究所内に充満して行く。
「はかせっ!窓開けたほうがいいですよ!」
1メートル先も見えない煙幕の中でクリスが博士に向けて叫ぶ。その声が聞こえてか、ウツギ博士の声も聞こえてきた。
「クリスちゃーん!!君のそばにも窓あったはずだから探してあけてくれー!!」
「わかりましたー!!」
こっちはこっちで大変なようだ・・・。
さて、バトルはというと・・・
「くそっ!ワニノコ!相手の気配を探ってみてくれ!」
「ワニャ!」
どこからともなくワニノコの鳴き声が聞こえてきた。
と、そのときだった!
「ヒノアラシッ!声のした方にたいあたりだぁ!!」
「なにぃ!!」
シルバーが驚きの声をあげたその瞬間、
バシィッ
何かをはじいたような音と共にシルバーの目の前に飛ばされたワニノコが現れた。
ドンッ
「のわぁっ!!!」
ワニノコの勢いが収まらず、シルバーも吹っ飛ばされてしまう。
その数秒後、研究所内の煙幕が薄くなり、お互いの姿が確認できるまでになった。
ゴールドはヒノアラシに指示を出したと思われる格好のまま、その場に立っていた。
シルバーの方はと言うと、ワニノコを腹の上に乗せて、ゴールドから3,4メートルはなれている所で倒れていた。
「わっ!シルバーごめーん!! 大丈夫!?」
ゴールドとヒノアラシが倒れているシルバーとワニノコのもとへと駆け寄る。
「いてててててて・・・・・・」
シルバーが後頭部を抑えながら上半身を起こす。
「シルバー、ほんっとごめんっ!!」
ゴールドがシルバーの顔の前で頭を下げる。
シルバーがワニノコを抱き上げながら、苦笑してゴールドに言葉をかける。
「大丈夫だよ。このことでトレーナーも油断しちゃいけねーってことがわかったから、逆に感謝してるとこだよ。
サンキューな、ゴールド!」
ゴールドはシルバーの笑った顔を見てぱぁっと顔を輝かせ、元気よくうなずいた。
と、ここで誰も予想していなかった”声”が聞こえてきた。
「ふ〜む、なかなかやるのう、2人とも。」
「え!?」
4人が振り向いた先には、白髪で赤いシャツと、濃い茶色のズボンを身につけ、
研究用の白衣を羽織っている老人がいた。
「あ、あなたはっ!!」
TO THE NEXT
あとがき
第3話、問題のバトルシーンです・・・。
まあ、思いつきで書いた割にはまだいいかな・・・・?
・・・・・そのうち直します。(汗)
ちょっと短いかなぁー・・・などと思いつつも投稿。
では第4話でお会いしましょう。
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